会員制動画サイトとは、会員になってほしい人に無料あるいは有料でユーザー登録をしてもらい、登録した人だけが動画コンテンツを視聴できるサービスです。動画コンテンツを限られた人にだけ公開したい場合や、社内などでマニュアルを共有したい時に活用できるだけでなく、コンテンツを有料販売して収益化することも可能となります。一般的には、YouTubeやニコニコ動画などのような無料でアップロードでき、不特定多数の人向けにコンテンツを届けるサービスも数多く存在します。しかし、会員向け、クローズドなコミュニティの中でのみ発信をしたいのであれば、会員制動画共有サイトを作成した方が、管理やセキュリティ面でも安心といえるでしょう。また、会員制動画サイトは、システムなどに詳しくない初心者の方でも簡単に立ち上げることが可能です。本記事では、会員制動画サイトを作成する方法について解説します。会員制動画サイトの作成方法は2パターン会員制の動画サイトを作成する方法は、「動画共有サイトを作成できるプラットフォームを利用する」「WordPress(CMS)などを使って自分でサイトを作成する」の2パターンです。コストや手間に違いがありますので、自身にあった方法を選ぶといいでしょう。動画共有サイト作成サービスを利用する作成の手間を省きたい、クオリティやセキュリティ面も高めたいとお考えであれば、外部のプラットフォームがおすすめです。コンテンツや会員、課金の管理などを行える機能があらかじめ実装されていることがほとんどのため、すぐに動画配信のサービスを展開できることも外部プラットフォームを利用するメリットといえるでしょう。自分で作成する自分で作成する場合の流れは、以下の5つとなります。構築手段の検討HTMLの知識がなくても構築できる点で、CMSサービスの活用がおすすめです。とくに「WordPress」は、web上に情報も多く、使い勝手がいいでしょう。WordPressといえばブログのイメージかもしれませんが、動画共有サイトを作成することも可能です。ドメインの取得とサーバーをレンタル構築するCMSが確定すれば、次はドメインの取得とサーバーの契約です。ドメインとは、会員制動画サイトのURLとなる、大切なものです。構築したいサイトのイメージにあったドメイン名にするといいでしょう。ただし、すでにWebサイト上に同じドメインが使われていると使用できません。事前に確認し、問題ないならドメイン取得サービスから登録と申請をしましょう。そして、ドメインを取得できたら、次はサーバーを用意します。レンタルサーバーを借りることがほとんどですが、レンタルサーバーについてもサービスとプランがたくさんあるため、予算、容量、機能を確認して、最適なものを選んでください。サイトの構築サイトの構築は、自社で作成することも可能ですが、外部の開発会社に委託するのもいいでしょう。なぜなら、動画を扱うサイトを構築する場合、知識と技術が必要になるからです。外部へ委託する場合は、事前に要件定義を明確に伝え、構築に必要な機能を洗い出してもらいます。コストはかかるものの、開発力のある会社へ依頼すれば、自社オリジナルのシステムを構築することが可能な点も外部委託のメリットといえます。ログイン機能を実装し、会員のみ閲覧できるようにするサイトの構築方法によって、実装の方法は変わります。WordPressはプラグインを活用して実装できますので、探してみましょう。外部の動画共有プラットフォームを利用する場合は、機能として実装されていることがほとんどです。SSLによるセキュリティ対策動画共有サイトには、会員情報やコンテンツ内容など、守らなければならない情報がたくさんあります。そのため、セキュリティ対策を万全にしなければいけません。その点、WordPressはサイト自体を常時SSL化できるため安心といえます。SSLとは、webを暗号化しながら通信を行う技術のことで、URLの先頭が「https://」となるもの。ブラウザでサイトに接続した際に鍵マークが表示されるため、ユーザー目線にたっても安全性をアピールできるでしょう。会員制動画サイトを作成するメリット会員制動画サイトを作成するメリットは3つあります。コンテンツと会員を簡単に管理できる視聴分析ができる課金システムを取り入れてマネタイズできるそれぞれについて見てみましょう。コンテンツと会員を簡単に管理できる撮影、編集した動画データをサイト上へ簡単にアップロードできるだけでなく、タグをつけたり、カテゴリを分けたりと、動画データを管理できます。もちろん管理できるのはコンテンツだけではありません。視聴するユーザー、つまり会員の管理も簡単に行えます。動画を届けたいユーザーへ招待を送る、あるいはIDとPWを発行すれば、すぐに動画を視聴できる会員となり、サイト上で会員データを管理できるようになります。視聴分析ができる再生された回数や、どのユーザーが視聴したのか、最後まで見たのは誰か、など、細かな視聴分析を行えるようになります。データを収集、分析できるようになることで、コンテンツをブラッシュアップさせることに役立てられるでしょう。また、動画コンテンツを会社内でのマニュアルや販促ツールとして使用するのであれば、視聴結果を元にした社員へのサポートや、フォロー体制の構築にも役立ちます。課金システムを取り入れてマネタイズできる動画コンテンツを有料公開にすることも可能であり、課金システムを導入すればマネタイズが可能となります。質の高い動画コンテンツを一度作成できれば、新たな収益源となり、売上アップも期待できるでしょう。設定やシステムによっては、動画コンテンツに都度課金をしてもらう形式や、月単位や年単位のサブスクリプション形式を選択できるようになるため、自社のサービスに応じて使い分けてみましょう。会員制動画サイトの作成時にかかるコストと注意点動画共有サイト作成サービスを利用するのか、自社で作成するのかによって、必要なコストが違います。まず、動画共有サイト作成サービスを利用する場合、初期費用、月額利用料がかかります。ほとんどのサービスにおいて、容量に応じたプランが用意されており、プランによって月額利用料は変わります。サービスによって料金や機能、容量が異なるため事前によく調べてから導入するようにしましょう。無料トライアルを提供している事業者も多いため、一度試用期間を設けてから導入することもおすすめです。方、自分で作成する場合では、サーバーとドメイン代が発生します。WordPressで有料のテーマを使ってサイトを構築するのであれば、テーマを購入する費用も必要です。また、開発を他社へ依頼した場合には、開発費用を支払わなければなりません。開発費用については、サイトのグレードや開発会社によってピンキリですが、数十万〜数百万円の規模感と考えておきましょう。会員制動画サイトに必要な機能必要になる機能は主に、コンテンツ管理、会員管理、課金管理の3つです。コンテンツ管理いうまでもなくサイトに表示する動画データを管理する機能です。動画を表示し、再生するページもコンテンツ管理機能を使って管理します。動画コンテンツが少なく(たとえば50本以下)、会員数も数百人程度と小規模で展開するのであればWordPressでも十分といえます。しかしコンテンツ数や会員が増える予定、あるいはセキュリティや容量についても万全にしておきたいと考えるのであれば、動画共有サイト作成サービスを利用した方が安心でしょう。会員管理動画コンテンツを視聴するユーザーデータを管理する機能です。ユーザー専用のアカウント作成ページを発行し、動画を届けたいユーザーをいつでも招待、管理できるようにしておきましょう。これらの機能は動画共有サイト作成サービスでは、あらかじめ実装されていることがほとんどな一方で、WordPressなどの場合はプラグインなどを利用する必要があります。ただし、プラグインでは完璧に理想にあったものを見つけることは難しいことはあらかじめ認識しておいてください。課金管理動画コンテンツを使ったマネタイズのために必須の機能です。この機能に関しても、動画共有サイト作成サービスではあらかじめ実装されていることが多いでしょう。自分で作成する場合は、クレジットカードなどの代行決済会社との課金システムと連携させる必要があります。WordPressでは決済プラグインを組み込む方法のほか、代行決済会社のAPIを組み込む、いずれかのパターンとなるでしょう。まとめ登録した人にだけ動画コンテンツを届けたい、動画コンテンツを使ってマネタイズをしたい、といった場合に会員制動画サイトがあると便利です。サイトの立ち上げと聞くと難しいイメージがあるかもしれませんが、実は初心者の方でもWordPressなどを活用すれば、自分で会員制動画サイトを構築できます。しかし、規模感やセキュリティ、希望する容量などによっては、外部の動画共有サイト作成サービスを利用することもおすすめです。コンテンツや会員管理、課金システムの導入などをスムーズに行えるようになるため、サイト作成の手間の削減にも繋がります。会員制動画サイトを作成する労力や予算などを考えて、最適な方法を選択するようにしましょう。