社内のマニュアルに動画を活用する企業が増えています。動画はテキストと比較すると情報量が多く、言語化が難しいことも伝えやすくなり、ノウハウや情報の共有をより効率よく進められます。最近では無料で動画を作成できるサービスやアプリも増えてきました。今回の記事では、動画マニュアルの作成の流れと注意点、動画でマニュアルを作成するメリットとデメリット、代表的な事例について取り上げます。動画マニュアルの作り方実際に動画マニュアルを制作する際の「流れ」「ポイント」「注意点」について紹介します。まずは動画マニュアルの作り方について、理解を深めましょう。制作の流れ動画は4つの段階に沿って制作していきましょう。①動画の目的と構成を作る動画で伝えたいことは何か、誰のために動画を作るのか、どのような順序で伝えるのか、など動画の目的と構成を明確にしましょう。非常に重要な作業であり、目的と構成が明確に作り込まれていないと、伝えたいことがはっきりしない中途半端な動画となってしまいます。動画を見る対象者を意識して作り込みましょう。②台本・絵コンテの作成動画の構成ができれば、台本を作ります。もしくは、絵コンテなどでもいいでしょう。動画の出演者も流れを把握した上で撮影に臨めるため、ムダな撮り直しを防げます。さらに、あらかじめ伝えておきたいポイントをセリフにしておくことで、内容に過不足なく動画を制作できます。台本のテキストデータがあると、編集時にコピペしてテロップとして活用できる点もメリットです。絵コンテは、動画で伝えたい情報、尺、撮影する場所やアングル、効果音の有無などを、シーン別に書き込んでおくと、作成内容と編集時の作業もわかりやすくなります。③動画の撮影台本が完成すれば、撮影の日時と場所を確保して、撮影をはじめましょう。動画の内容にもよりますが、撮影時にはあらゆるアングルから撮影しておくと、見せ方を工夫しやすくなるためおすすめです。④編集具体的な編集内容としては以下の通りです。テロップの挿入効果音の挿入不要なシーンのカットアニメーションなどの素材の挿入テロップについては、可能な限り挿入できると、電車内など移動中でも視聴できるため、見る側からすると便利です。また、スムーズな視聴を実現するために不要なシーンはカットすべきですが、カットした部分が後から必要になるケースもあるため、カットシーンのデータは削除せずに残しておくといいでしょう。制作時の注意点注意点として、「1つの動画で取り上げるテーマは1つ」を徹底しましょう。テーマが複数あると、その分動画も長くなり、マニュアルを見る側も疲れてしまいます。また、必要な情報がどこにあるのか、わかりづらくなるというデメリットもあります。動画マニュアルのメリット動画マニュアルは、マニュアルを提供する企業、視聴する社員、いずれの立場からもメリットがあります。4つの観点からメリットを整理しましょう。テキストだけよりも理解しやすいマニュアルを動画にする最大のメリットといえます。動きをともなって情報を伝えられるため、視聴する側も内容を把握しやすく、業務のイメージもしやすくなるでしょう。テキストだけではどうしても説明が難しかったことも動画であれば表現の幅が広がるため、理解のスピードを早めることが可能となります。均一な共有や教育が可能となる動画で情報やノウハウを共有できることで、均一な教育が可能となります。教え方や、共有する内容に偏りがなくなり、講師により言うことが異なるなどの属人化を防ぐことができるため、統一した内容を全国の他の支店や店舗へ提供できます。いつでもどこでも繰り返し視聴できる視聴する側からしても、動画マニュアルがあれば、いつでもどこでも繰り返し、マニュアル内容を確認できる点がメリットです。紙のマニュアルは常に持ち歩くことも難しく、保管場所にも困りますが、動画の場合はスマホやPC内に保存もでき、自宅や移動時間などでも確認できます。印刷などのコスト削減に繋がる紙のマニュアルは人数分の印刷が必要となり、その分コストがかかりますが、動画は一度製作すれば、クラウドや各デバイスで保存管理できるためコストが必要ありません。さらに、一度動画マニュアルを制作できれば、研修のたびに講師を派遣する必要もなくなるため、人件費も削減できます。動画マニュアルのデメリット一方、デメリットをあげるとすれば、動画の制作にコストや期間がかかる点です。さらに、紙のマニュアルにもいえることですが、商品やサービスに関することなど内容の更新も必要な場合もあり、その都度撮影、編集しなければいけません。また、視聴する社員たちがスムーズに動画を視聴できるためのWi-Fi環境やデバイスの貸与など、環境面の整備も必要です。とはいうものの、明らかにデメリットよりもメリットの方が大きいといえるので、導入しておいた方がいいといえます。動画マニュアルの代表的な種類動画マニュアルは、社員向けの業務説明や研修、顧客向けの製品紹介や取扱説明書など、社内、社外を問わずあらゆる場面で活用できます。代表的なマニュアル動画を4種類に分けて紹介します。社内業務の進め方たとえば、新たに入社した人たちへの業務手順を説明する動画マニュアルです。業務の全体像を把握してもらうため、社内ツールの使い方を理解してもらうためなど、細かく分けられます。営業ノウハウ営業担当がもつノウハウを動画マニュアル化。新人への営業研修にも有効であり、実践的な知識を身につけられるでしょう。また、商談のイメージも湧きやすくなります。社員研修用電話対応など基本的なビジネスルールについても動画マニュアル化しておくと、便利です。また、人事担当者向けの「人材教育マニュアル」、店舗責任者向けの「店舗運営マニュアル」といった、それぞれの立場や課題に即したマニュアル動画を制作します。商品紹介社内向けではなく、社外の顧客向けに自社の商品やサービスに関して紹介するマニュアル動画です。商品の操作手順や注意点などをまとめておくと、問い合わせ減少にも繋がり、業務効率もアップできる可能性があります。商品を使う顧客側にとっても、動画での説明があると理解しやすくメリットといえるでしょう。動画マニュアル参考事例最後に、マニュアル動画のサンプル例として、代表的なものを3つ紹介します。【営業ノウハウ】century21%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FNfyyCUBG80k%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E世界規模の不動産業者のフランチャイズ企業であるcentury21は、毎年社内における接客コンテストでグランプリを獲得した従業員の接客動画をアップロードしています。動画の尺は15分程度で、名刺交換から接客の流れを視聴できます。優秀なスタッフが普段どのように商談しているのかを確認でき、知見やノウハウを共有できるようになっています。【社員研修】PHP研究所%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FZ8biLEJB5ig%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3Eパナソニックの創業者、松下幸之助氏によって創設された、出版を主体とした事業を展開するPHP研究所。社員研修として使える動画をアップロードしています。ハラスメントに関する動画やビジネスマナーなど、デリケートな問題について取り上げ、社員の意識や知識を均一にする狙いがあります。【商品紹介】Honda発動機の使い方%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FZt_E3JeXHmM%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E大手メーカーHondaによる、発動機の使い方に関する動画です。とてもシンプルにまとめられており、テロップでポイントを表示するなど、参考となる内容です。まとめ | 動画によるマニュアルで効率よく情報を伝えられるマニュアルを動画で作成すると、情報をより多く、効率的に伝えられます。業務手順や営業ノウハウ、社内研修などテキストだけでは表現しづらいことも動画であれば、わかりやすくなるでしょう。マニュアル動画を最大限活用するためには、継続的に動画内容をアップデートしながら運用していくことが大切です。社員の習熟度チェックなどで、動画の効果を確認しながら内容をアップデートし、定期的に更新して効果をさらに上げていきましょう。併せて読みたい:動画広告を上手く作りたい!制作ディレクション方法と発注のコツを解説