企業の多くは自社で製品やサービスを開発・販売したり、他社の商品を取り扱ったりするなどして収益を上げています。収益を上げるためにマネジメントやプロモーションに力を入れている企業も少なくありません。インターネットの発達と普及により、特にプロモーションの種類や幅も広がってきました。その一つとして、オンラインサロンを主宰する企業も増えてきています。本記事では、企業主宰のオンラインサロンについて、開講するメリットや作成方法とともに、人気の企業系オンラインサロンにも触れながら解説していきましょう。企業のオンラインサロンとはオンラインサロンとは、会員を募り、オンライン上でコミュニティを形成しセミナーを実施したり、会員同士で意見や情報の交換などを行ったりする場を指します。株式会社などの法人が主宰するそのような場が、企業によるオンラインサロンです。会員やメンバーとなるには、主宰している企業が設定した月額料金を支払うのが一般的でしょう。最初の1カ月間、無料で入会できるオンラインサロンもあります。主に限られたメンバーのみでの交流の場となるため、クローズドなコミュニティとして運営されるのが大きな特徴です。基本的にはオンライン上での交流となりますが、オフ会などと呼ばれる、直接顔を合わせて交流が図れる場を提供しているサロンもあります。オンラインサロンが増えるにつれて運営方法や交流の仕方も多様化しており、型にはまらない交流の場になってきている点も押さえておきましょう。法人オンラインサロンを開講するメリットオンラインサロンを主宰・開講する企業が増えている理由は、いくつものメリットを享受できるためでしょう。ここでは、法人オンラインサロンを開講する代表的なメリットを紹介します。コアなファンやユーザーへの育成が狙える企業が売上や業績を上げ続けるには、新規顧客の獲得だけではなく、コアなファンやユーザーへの育成が不可欠です。長く利用・購入し続けてくれる顧客が増えれば経営を安定させられ、新たな戦略や事業にも手が出しやすくなります。オンラインサロンは、そうしたコアなファンやユーザーの育成を行う場ともなりえるでしょう。無料ではなく、あえて有料で情報を伝達することで、会員はその情報に高い価値を見出しやすくなります。オンラインサロン会員という限られた人たちのみに伝えられる情報として、特別感を抱きやすくなるためです。また、一般的な広告などでは伝えきれない企業の理念や商品の詳細、社員の特徴までをもオンラインサロンであれば顧客へと届けられるでしょう。こうしたオンラインサロンならではのメリットが、コアなファンやユーザーの獲得や増加へとつながります。新たな収益源が作れるオンラインサロンの多くは、会員から料金を受け取り運営されています。会員が多くなるほど、オンラインサロンの収益が上がる仕組みです。これは、企業が主宰するオンラインサロンでも変わりません。価値ある情報を提供できれば会員は増え、そのまま参加し続けてくれるでしょう。結果、企業は新たな収益源が確保できます。オンラインサロンの料金は月額で設定されているところが大半です。その金額は主宰する企業が自由に決められます。主な収入源とする企業は少ないものの、規模があまり大きくはない企業にとっては重要な収益源の一つとなるでしょう。オンラインサロンをきっかけに自社の魅力を伝えられれば、付随的に自社商品の売上が上がる可能性もあります。相乗効果でビジネスによい影響を与えられる点も法人オンラインサロンを開講するメリットです。優秀な人材の獲得にもつながるオンラインサロンは自社の魅力を伝えるための重要な手段となります。オンラインサロンを通じて自社の理念や商品、社員について深く理解した会員のなかに、「この会社で働きたい」と考える人が出てくる可能性もあるでしょう。結果的に、意欲があり、自社商品へ強い思いや興味を抱く人を社員として獲得できるチャンスも生まれます。日本では少子化に歯止めがかからず、労働人口は今後さらに減少していくとの見方が一般的です。優秀な人材の獲得どころか、人手不足を解消することすら難しいと感じている企業も少なくありません。オンラインサロンを上手に活用できれば、コアなファンやユーザーに自社への就職や転職を目指してもらうことも可能です。転職も当たり前の時代となりつつあります。年齢や性別、経歴などを限定せず自社の魅力や情報を発信できるオンラインサロンは、まさに意欲的で優秀な人材の獲得へとつながる採用戦略の一つにもなりえるでしょう。企業の人気オンラインサロン3選!業界や規模にかかわらず、さまざまな企業がオンラインサロンの運営を試み始めています。ここでは、そのなかから人気の企業系オンラインサロンを紹介しましょう。毎日ことばplus「毎日ことばplus」は、毎日新聞校閲センター運営の、用語や言葉の用法の解説記事をアップしているWebサイトです。辞書の編集者や日本語の研究者などのコラムを読むことができ、メールマガジンなども配信しています。無料で利用できるコンテンツと有料会員サービスとに分かれており、後者がいわゆるオンラインサロンです。オンラインサロンでは、実際の新聞にあった間違いを確認できたり、オンラインイベントの視聴ができたりします。「毎日新聞用語集」も利用できるなど、言葉に関する学びが多く得られるのが、「毎日ことばplus」のオンラインサロンの魅力でしょう。StockSunサロン「StockSunサロン」は、主にWebコンサルタント事業を行っているStockSun株式会社運営のオンラインサロンです。フリーランスや経営者、あるいは、それらを目指す学生や会社員に人気のオンラインサロンとなっています。「StockSunサロン」では、営業テクニックやSEO対策、独立ノウハウなどを中心に、月に4〜10個の動画コンテンツを配信中です。会員制バーを利用しサロンメンバーなどとの人脈を築いたり、求人グループで案件獲得を狙ったりすることもできます。オフラインでの交流会も積極的に開催しており、オンラインサロンのメリットを存分に活かしながら、さまざまな活動を行いビジネスへとつなげている事例といえるでしょう。KIRIN BEER SALON(キリンビールサロン)「KIRIN BEER SALON」は、ビールや紅茶などの製造・販売を行うキリンホールディングス株式会社が実施していたオンラインサロンです。全5回の講座で構成されており、サロン自体はすでに終了しています。ビールの基礎知識を専門家に教えてもらったり、参加者が好きなビールを紹介し合ったりする内容で、とても人気のオンラインサロンとなりました。「KIRIN BEER SALON」は、短期的な取り組みや交流を目的としたオンラインサロンであったことが大きな特徴です。期間限定や不定期での開催により、さらに企業や商品の価値を高め、消費者に興味を持ってもらうことにも成功しています。企業オンラインサロンを簡単に作成する方法企業がオンラインサロンを立ち上げる際に利用したいのが、法人向けのプラットフォームです。オンラインサロン専用のプラットフォームサービスもありますが、今後のさまざまな活用方法を考慮した場合、動画配信プラットフォームを選択した方がよいでしょう。機能を上手に使いこなせれば、オンラインサロンと同時に動画の販売やセミナー、eラーニング、各種イベントなどもオンライン上で行えるためです。オンラインサロンが簡単に作成できる動画配信プラットフォームに「OneStream」があります。会員制の動画配信サイトを誰でもすぐに作れるサービスで、動画や会員の管理はもちろん、オンデマンド配信やライブ配信、グループ配信もでき、それらに課金することも可能です。会員とのコミュニケーションもオンライン上ででき、資料の添付やスマホの最適化も行えるので、まさに幅広い活用方法を視野に入れたオンラインサロンを立ち上げるのに最適なプラットフォームといえます。「OneStream」で企業オンラインサロンを作成するには、主に以下のような手順で行うとよいでしょう。1.オンラインサロンの目的を明確にする最初に行うのは、オンラインサロンの目的の明確化です。なぜオンラインサロンを開催するのか、誰をターゲットにしているのか、求める成果や目標は何かなどを整理しておきましょう。自社の認知度やブランド力の向上を目指すケースと、重要な収益源の一つとしたいケースとでは、次のステップにまったく異なる影響を与えます。途中で曖昧な運営になってしまわないよう、最初に明確な目的を定めておかなければいけません。2.内容や料金を決める目的やターゲットなどに沿って、内容や料金を決めていきます。情報や知識を提供することに主眼を置くのか、それとも会員とのコミュニケーション主体で進めていくのかなどによって、内容は大きく変わるでしょう。会員へと提供する情報の質や量に見合った料金設定も、オンラインサロン開講時の重要なポイントです。3.目的や内容に合ったプランを選ぶこれまでのステップを踏まえて、自社のオンラインサロンに合ったプランを選択しましょう。「OneStream」では、「基本」「プロ」「ビジネス」「エンタープライズ」の4つのプランが用意されいます。料金はもちろん、動画容量や使える機能などに違いがあるため、比較検討したうえで選択しなければいけません。「OneStream」では、いずれのプランも会員数や転送量、同時接続数は無制限となっています。多くの会員数を見込んでいるオンラインサロンでも安心して利用できるでしょう。4.オンラインサロンを開講するプランが決定したら、実際にオンラインサロンを開講します。SNSなどでも積極的にアナウンスやプロモーションを行い会員を集めましょう。同時に、有益なコンテンツの作成も欠かせません。「OneStream」では無料の動画配信も可能なので、そうした機能も活用しながらアピールし、徐々に会員の増加を目指すとよいでしょう。企業オンラインサロンでビジネスを成功させるコツ企業がオンラインサロンをビジネスへと活かすには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここでは、企業オンラインサロンでビジネスを成功させるコツをまとめましょう。中長期の運営計画を策定し実行する短期的なオンラインサロンの開催で、ビジネスを成功へと導くのは困難でしょう。すでに知名度のある大手企業であれば短期的な開催でも意義が生まれますが、これからビジネスを拡大していこうと考えている企業は、中長期の運営計画を策定したうえで実行していく必要があります。段階を踏んでいき、少しずつオンラインサロンを育てていく意識で取り組むとよいでしょう。会員からの意見を積極的に取り入れるオンラインサロンのよいところは一方的な発信だけではなく、会員との交流も図れる点です。その特性を活用し、会員からの意見も積極的に取り入れるとよいでしょう。オンラインサロンの運営にはもちろん、アドバイスや意見によっては、主要事業にも取り入れる価値が出てきます。有料だからこそ、忌憚のない意見を述べてくれる会員が生まれる場合もあります。クレーマーとはまた違う、貴重で有益な意見が得られるケースもあるでしょう。それらを取り入れつつ新商品の開発やマネジメントへとつなげられれば、ビジネスを成功させられる可能性も高まります。活用の幅を広げていくオンラインサロンを続けるなかで、価値があると感じたことには積極的に手を出し、幅を広げていくことも重要です。会員とともに何かに取り組んだり、企画会議に参加してもらったり、独自の動画コンテンツを販売したりなど、オンラインサロンを通じてさまざまなことを試みてみましょう。動画配信プラットフォームの特性や機能も上手に活用すれば、オンラインサロンの幅を広げていくことは難しくありません。マンネリ化や退会者の増加などを防ぐためにも、オンラインサロン内での新たなチャレンジは不可欠です。企業のオンラインサロンについてまとめいわゆるインフルエンサーだけではなく、企業がオンラインサロンを立ち上げ運営するケースも増えてきました。コアなファンやユーザーの獲得や、新たな収益源の確保といったメリットがあるためです。コアなファンやユーザーを、自社の社員として採用できるチャンスも生まれるでしょう。オンラインサロンの開講や運営は、動画配信プラットフォームを活用することで簡単に行えます。人気の企業オンラインサロンも参考にしつつ、中長期の視点を持ち、会員の声にも耳を傾けながら成長させられれば、ビジネスにもよい影響や効果を与えられるでしょう。