オンライン研修を実施した後、受講者の満足度や理解度、改善点を把握するためにはアンケートが欠かせません。適切なアンケートを実施することで、研修の効果を可視化し、次回のプログラム改善につなげることができます。しかし、どのような内容を盛り込むべきか、どのように構成すれば良いのか迷う方も多いのではないでしょうか?本記事では、オンライン研修のアンケートを作成する際に含めるべき内容や、わかりやすい構成について詳しく解説します。さらに、すぐに使えるテンプレートもご紹介するので、効率的にアンケートを作成したい方はぜひ参考にしてください。オンライン研修後にアンケートを実施すべき理由とは?オンライン研修を実施した後にアンケートを実施することは、研修の効果を最大化し、今後の改善に役立てるために非常に重要です。受講者のフィードバックを収集することで、研修の質を評価し、より効果的なプログラムにブラッシュアップできます。1. 研修の効果測定ができるアンケートを実施することで、研修の内容が受講者にどの程度理解され、実践可能かを評価できます。研修の目的が達成されたかを定量・定性の両面で把握し、必要に応じてカリキュラムの調整が可能です。例えば、理解度チェックとして「学習内容が業務に役立つと感じたか?」といった設問を設けることで、受講者が得た知識の実用性を測ることができます。これにより、今後の研修改善や教育戦略の最適化が可能となります。2. 受講者の満足度を把握できる研修の満足度を知ることは、受講者のモチベーション維持において重要です。アンケートを通じて、研修内容、講師の説明、進行速度、使用ツールの利便性など、多角的に満足度を測定できます。受講者の率直なフィードバックをもとに、コンテンツの質や実施方法の向上が図れます。特に、満足度が低いポイントを特定することで、今後の研修においてより効果的なアプローチを取ることができ、継続的な学習環境の整備にもつながります。3. 問題点や改善点の特定研修後のアンケートは、受講者が感じた問題点や改善すべき点を明確にするための有効な手段です。例えば、研修の進行が早すぎた、内容が難しすぎた、またはオンライン環境が不安定だったといった具体的な課題を把握できます。これにより、次回の研修では適切なペース配分や、より理解しやすい資料の提供、技術的なサポート強化といった改善策を講じることが可能です。受講者のフィードバックに基づいた改善を行うことで、研修の質の向上を実現できます。4. ROI(投資対効果)の評価研修に対する投資がどれほどの効果を生んでいるかを評価することは、企業にとって重要です。アンケート結果を分析することで、研修後の業務効率の向上、従業員のスキル向上、離職率の低減などの成果を測ることができます。例えば、「研修後に業務の効率が上がったと感じるか?」などの質問を用いることで、経営層へ研修の価値を明確に報告できます。これにより、研修の継続的な実施や、より高い効果を得るための改善策を策定することが可能です。5. パーソナライズされた研修設計のためのデータ収集アンケートを活用することで、受講者のスキルレベルやニーズに応じた研修設計が可能になります。例えば、受講者の業務内容や学習スタイルに関する質問を設けることで、より効果的なカリキュラムを提供できるようになります。また、受講者がどのような分野に関心を持っているのかを把握し、個別の学習プランを立てることができます。これにより、従業員一人ひとりに最適な研修内容を提供し、学習効果の最大化を図ることができます。オンライン研修のアンケート内容と構成オンライン研修のアンケートは、研修の効果を正確に評価し、今後の改善に役立てるために、構成をしっかりと設計することが重要です。以下のような構成が効果的です。① 導入部(挨拶とアンケートの目的)アンケートの導入部分では、受講者に協力をお願いし、アンケートの目的や意義を伝えることが重要です。「今回のアンケートは研修の改善に役立てるためのものです」と明確に伝え、回答の動機付けを行います。また、所要時間を提示することで回答への心理的負担を軽減し、回答率を向上させます。さらに、匿名性の確保を明記し、率直な意見を得られるよう配慮します。回答の重要性を強調し、受講者に安心して参加してもらうための工夫が必要です。② 受講者情報(属性)受講者情報の収集は、研修の効果を分析し、今後のプログラム設計に活かすために欠かせません。所属部署、役職、受講目的、研修経験などを把握することで、受講者のバックグラウンドを分析できます。たとえば、経験豊富な受講者と初心者では求める内容が異なるため、フィードバックの解釈も異なります。こうしたデータをもとに、今後の研修をよりターゲットに適した内容に改善し、個別ニーズに対応できる柔軟なプログラム設計が可能になります。③ 研修内容の評価研修内容が受講者にとってどの程度有益だったかを評価することで、研修の質を把握し、改善のための具体的な指標を得ることができます。具体的には、内容の分かりやすさ、業務への適用性、資料の充実度などを評価項目とし、5段階評価や自由記述でフィードバックを収集します。受講者が「内容が難しすぎた」や「もっと具体例がほしい」といった意見を記入することで、次回の研修内容の最適化につながり、より実用的なプログラムを提供できます。④ 研修の進行・運営について研修の進行スピードや講師の説明力、使用ツールの利便性など、研修の運営面を評価することは、受講者の満足度向上につながります。特にオンライン研修では、技術的なトラブルやコミュニケーション不足が問題になることが多いため、「進行スピードは適切だったか」「オンラインツールの操作は容易だったか」といった項目を設けることが重要です。こうしたフィードバックをもとに、適切な進行ペースやサポート体制を整え、よりスムーズな研修運営を実現できます。⑤ 研修の満足度受講者の研修体験全体に対する満足度を把握することで、研修の成功度を測ることができます。具体的には、「期待していた内容と合致していたか」「受講前後でスキルアップを実感できたか」などの設問を設け、研修の成果を評価します。また、総合満足度のスコア化(例:10段階評価)を行うことで、データの定量的な比較が可能となります。このフィードバックを活用し、より魅力的で実用的な研修プログラムを構築し、継続的な改善につなげます。⑥ 研修後のアクションやフォローアップの希望研修の効果を持続させるためには、受講者が研修後にどのように学びを活かし、フォローアップを希望しているかを把握することが重要です。例えば、「追加の実践トレーニングを希望する」「復習用の資料がほしい」などのニーズを収集し、次の研修やサポート施策の計画に活かします。定期的なフォローアップ研修やオンラインQ&Aセッションなど、受講者が継続的に学習できる環境を整えることで、研修の定着率を高め、業務への応用力を向上させることができます。⑦ 自由記述欄(コメント・改善点)自由記述欄を設けることで、受講者が個別に感じた意見や具体的な改善点を得ることができます。選択式の設問では拾いきれない「もう少し実践的な演習が必要」「質疑応答の時間を増やしてほしい」といった具体的な意見が得られるため、研修内容のさらなる向上につながります。また、受講者自身が積極的に改善案を提案できる場を設けることで、エンゲージメントの向上にも寄与します。率直な意見を引き出すため、簡潔な質問を心がけることが重要です。⑧ クロージング(お礼と次回研修の案内)アンケートの最後に、お礼のメッセージと次回の研修案内を記載することで、受講者の参加意欲を維持し、継続的な学習を促します。「ご協力いただきありがとうございます。皆様の貴重な意見をもとに、今後もより良い研修を提供してまいります。」といったメッセージを添えることで、受講者にポジティブな印象を与え、次回研修の参加を促進できます。さらに、フォローアップの機会や今後の学習プランについての案内を行うことで、研修の効果を持続させることが可能です。オンライン研修の質問例【テンプレート】オンライン研修における質問例を以下のカテゴリに分けて紹介します。これらの質問は、研修の効果測定、受講者の満足度の把握、改善点の特定に役立ちます。① 受講者情報に関する質問受講者情報の収集は、研修の効果を分析し、将来的な研修プログラムの設計に役立てるために重要です。所属部署や役職、受講目的を把握することで、受講者のニーズに合った研修内容の提供が可能になります。また、研修経験の有無や受講目的(スキル向上、業務改善、キャリアアップなど)を問うことで、研修の期待値を明確にし、よりパーソナライズされたフォローアップ計画の策定に活かせます。回答の匿名性を確保し、率直な意見を収集することが重要です。「あなたの所属部署を教えてください。」(選択式:営業、開発、人事、その他)「現在の役職を教えてください。」(選択式:新入社員、一般社員、管理職、役員)「この研修を受けた主な目的は何ですか?」(複数選択可:スキル向上、業務効率化、キャリアアップ)「オンライン研修の受講経験はありますか?」(はい/いいえ)② 研修内容の評価に関する質問研修内容の評価は、研修の質や実用性を測るために不可欠です。内容の理解度、業務適用性、ボリュームの適切さなどを確認することで、受講者の学習効果を把握できます。例えば「内容はわかりやすかったか?」や「業務にどの程度活かせるか?」といった質問を用い、5段階評価や自由記述を組み合わせることで、具体的な改善点を特定します。受講者の声を反映し、次回研修の質を向上させるための基礎データとなります。「研修内容は理解しやすかったですか?」(5段階評価)「研修内容は業務に役立つと思いますか?」(5段階評価)「研修のボリュームは適切でしたか?」(選択式:多すぎた、適切、少なすぎた)「どのセクションが最も役に立ちましたか?」(自由記述)「もっと深く学びたい内容はありますか?」(自由記述)③ 研修の進行・運営に関する質問研修の進行や運営に関する質問では、受講者が研修を快適に受講できたかを評価します。例えば、進行スピード、講師の説明の分かりやすさ、質疑応答の充実度、使用したオンラインツールの操作性などを確認します。特にオンライン研修では、接続環境やトラブル対応の迅速さも重要な評価項目です。これらの質問を通じて、受講者がストレスなく研修を受けられたかを把握し、運営の最適化を図るための貴重なフィードバックを得ることができます。「研修の進行スピードは適切でしたか?」(選択式:速すぎる、適切、遅すぎる)「講師の説明はわかりやすかったですか?」(5段階評価)「講師の質問への対応は適切でしたか?」(5段階評価)「使用したオンラインツール(Zoom、Teamsなど)は使いやすかったですか?」(5段階評価)「技術的なトラブルがありましたか?」(選択式:はい/いいえ、内容を自由記述)④ 研修の満足度に関する質問研修全体の満足度を評価することで、研修の成功度を測定できます。満足度の質問には、「研修の期待に応えたか」「全体的な印象はどうだったか」「研修を他の人に勧めたいと思うか」といった項目を含めます。満足度を数値化することで、次回研修の改善ポイントが明確になり、評価の比較も容易になります。受講者の期待とのギャップを把握し、今後の研修プログラムの品質向上に役立てるため、客観的なフィードバックを得ることが重要です。「この研修全体の満足度を教えてください。」(10段階評価)「研修の期待度に対して、満足できましたか?」(選択式:期待以上、期待通り、期待以下)「研修内容は実践に役立つと感じましたか?」(5段階評価)「この研修を他の同僚にも勧めたいと思いますか?」(NPS評価:0~10のスケール)「研修のどの部分が改善が必要だと感じましたか?」(自由記述)⑤ 研修後のアクションやフォローアップに関する質問研修後のフォローアップを適切に行うためには、受講者の行動計画や追加支援のニーズを把握する必要があります。「研修内容をどのように業務に活かす予定か」「どのようなフォローアップを希望するか」といった質問を設けることで、研修効果を持続させる施策を検討できます。例えば、追加研修の要望や、資料提供、メンター制度などのニーズを把握することで、受講者が研修後もスキルを活用できる環境を整えることが可能です。「研修内容をどのように業務に活かす予定ですか?」(自由記述)「今後、どのようなフォローアップを希望しますか?」(選択式:追加研修、資料配布、定期的なQ&A)「研修後にどのようなサポートがあれば役立ちますか?」(自由記述)「今後受講したい研修テーマを教えてください。」(自由記述)⑥ 自由記述欄(コメント・改善点)自由記述欄を設けることで、選択肢では得られない受講者の率直な意見や要望を収集できます。「改善点はありますか?」や「特に良かった点は?」などの設問を通じて、研修内容や運営の改善につながる具体的なフィードバックが得られます。受講者が研修のどの部分に最も価値を感じたかを知ることができ、次回のカリキュラム設計に反映できます。また、匿名性を確保することで、より率直で有益な意見が得られる可能性が高まります。「今回の研修について、良かった点を教えてください。」(自由記述)「今回の研修について、改善してほしい点を教えてください。」(自由記述)「今後の研修に期待することがあればご記入ください。」(自由記述)⑦ 技術面・環境に関する質問オンライン研修特有の問題として、受講環境や技術面の課題が挙げられます。「音声や映像の品質はどうだったか」「接続の安定性に問題はあったか」などの質問を通じて、受講環境の最適化に役立つ情報を収集します。特に、使用したプラットフォーム(Zoom、Teamsなど)の利便性や、ネットワーク環境の影響についての意見を得ることで、次回の研修ではより快適な受講環境を提供することが可能になります。「研修中の音声や映像の品質はどうでしたか?」(選択式:非常に良い、良い、普通、悪い、非常に悪い)「研修中、接続の問題が発生しましたか?」(選択式:はい/いいえ、内容を自由記述)「自宅や職場での受講環境は快適でしたか?」(5段階評価)オンライン研修のアンケートを作成する上での注意点オンライン研修のアンケートを作成する際には、受講者の意見を的確に収集し、研修の改善に役立てるために、以下の注意点を考慮することが重要です。1. 明確な目的を設定するアンケートの目的を明確にし、「研修の満足度を知りたい」「内容の理解度を測りたい」「改善点を特定したい」など、具体的な目標を定めることが重要です。目的が不明確だと、質問項目が曖昧になり、収集データの活用が難しくなります。目標に応じた設問設計を行い、研修の成果や課題を的確に把握できるようにします。2. 質問項目をシンプルかつ具体的にする質問は簡潔でわかりやすく、受講者が迷わず回答できるように設計する必要があります。「研修内容は役立ちましたか?」のような曖昧な質問ではなく、「研修内容は業務にどの程度役立つと思いますか?」のように具体的な質問にすることで、より正確な回答が得られます。長文の質問や専門用語の多用は避け、誰でも理解できる表現を心がけましょう。3. 回答形式を適切に選択する質問内容に応じて、適切な回答形式(選択式、自由記述式、リッカート尺度など)を選ぶことが大切です。例えば、定量的な評価には「5段階評価(非常に満足~非常に不満)」を、具体的な意見を求める場合には「自由記述」を活用します。選択肢の数は多すぎず、回答者が負担を感じないバランスを保つことが重要です。4. 質問の順序を工夫するアンケートの冒頭には、答えやすい質問(例:満足度の評価など)を配置し、徐々に詳細な質問へ移行することで、受講者の回答意欲を高めることができます。また、「個人情報に関する質問」は最後に配置し、研修内容に関する質問を優先させることで、スムーズな回答を促します。論理的な順序で配置し、ストレスなく最後まで回答できる設計にすることが重要です。5. 所要時間を短く設定するアンケートの所要時間は5~10分以内に収めることが理想的です。長すぎるアンケートは途中離脱の原因となり、回答率が低下します。質問数を最小限に絞り、本当に必要なデータのみを収集することが重要です。所要時間の目安を冒頭で提示し、受講者に安心感を与えることも有効です。6. 匿名性を確保する受講者が率直な意見を述べられるよう、匿名性を確保することが重要です。「個人を特定されることはありません」と明記し、心理的なハードルを下げることで、正直なフィードバックが得られます。特に、講師や運営に関する批判的な意見を収集する際には、匿名性の保証が不可欠です。7. 偏りのない質問を心がける回答が特定の方向に誘導されないよう、中立的な表現を使用することが大切です。例えば、「講師の説明は非常に素晴らしかったですか?」のような質問ではなく、「講師の説明は理解しやすかったですか?」と表現することで、客観的な回答が得られます。意図的なバイアスを避けるために、第三者のチェックを受けるのも有効です。8. アンケート結果を活用する意思を示す受講者が「回答が研修の改善に役立つ」と感じるように、アンケートの目的や結果の活用方法を説明することが重要です。「皆様のご意見をもとに、次回の研修を改善します」と伝えることで、回答へのモチベーションを高めることができます。また、フィードバックの結果を後日共有することで、信頼関係の構築にもつながります。9. モバイルフレンドリーな設計受講者がスマートフォンやタブレットからも簡単に回答できるよう、アンケートフォームはモバイル対応にすることが重要です。画面サイズに適したデザインや、クリックしやすい選択肢の配置を考慮し、どのデバイスでも快適に回答できる環境を整えます。特に、オンライン研修ではモバイルからの回答が多いため、最適化が求められます。10. フォローアップを行うアンケート実施後には、回答内容を分析し、受講者にフィードバックを行うことが重要です。例えば、「いただいたご意見をもとに、次回研修ではより実践的な事例を取り入れます」と伝えることで、受講者の意見が反映されていることを示せます。これにより、受講者は今後の研修にも積極的に参加しやすくなります。